本とgekijou

書評のようなものを中心としたblog

(犬の日記)六月二十五日

昨晩は連れが「羊たちの沈黙」をテレヴィ画面で観ていたのでいっしょに観た。カメラワークが良く、トラウマや心理学化など、いろいろなシンボリックな要素が詰め込まれている、いい映画だっただろう。たぶん小説よりも良い(子どものころに姉が映画館で観て…

「私」の禁酒宣言――或いは「きみたちと飲む酒は一滴もない」

ひとが合法ドラッグにハマるのには、ドラッグに手を伸ばす以上、そこにはもともとは強い動機があったはずなのだ。と、そうしてみよう(敢えてここでは酒に合法ドラッグ、という強い呼称を授けよう。なぜならばこの記事は禁酒宣言の記事なのだから)。 私の場…

(犬の日記)六月二十三日

朝、七時すぎに起床をして、九時半に制作を進めていた中篇小説の初稿を書き上げる。大幅な改稿をしていくことになるので(前回の作でわかったのであるが、大体、七稿までつくる、つまり七回ほど全ページを赤ペンだらけにして作品を直していくと、納得できる…

(犬の日記)六月二十二日

朝八時から小説の制作をはじめる。レコードは相変わらずイ・ムジチ。下北沢あたりに行ってとにかく潤沢に手許に置いておかないと、こういうのは貧乏性ゆえになかなか新しいのを聴くつもりになれず、大きな問題としてそもそも今クリーナーのキットすらもが手…

解離性障害をめぐる天使・森・歌舞伎町の話

解離の病理学の分野には、守護天使という用語がある。 多重人格(わかりやすいように解離性同一性障害、DID、ではなく多重人格、と敢えて書いてしまっているが)というのは、あまりにも悲惨な、トラウマティックな状況に直面した際に、現実から「自分」を切…

(犬の日記)六月二十日

七時に起きてきょうはイ・ムジチの「海の嵐」のレコードに針を落として、小説の制作を続ける。進捗はかばかしくない。昨晩、禁酒のための本を読み終えて、「禁酒宣言」を恋人にむけてして、SNS上でも投稿をして以降、そうだ、禁酒ではないか、禁酒によっ…

大原富枝文学館からの手紙

拝啓 台風一過、貴館におかれましては益々ご健勝のことと存じます。 過日、福島県の小説家鬼生田貞雄について、電話にて調査ご対応いただいた伊藤千広でございます。その節はたいへんお世話になりました。 電話にておはなし申し上げていた大原富枝「鬼生田さ…

(犬の日記)六月十八日

朝、七時半に起床をして、昨晩のうちにまとめておいた六袋分たまっていたゴミ袋のゴミ出しを終えて、雨音をBGMにしてしばらく小説を書く。きのうは連れが「メルカリ」で私の代わりに買ってくれたクラシックのレコード十五枚セットが届いた日であり、雨音…

(犬の日記)六月十七日

朝の六時に起きて小説を書き始める。書き出し部分を終えてきのうから、十枚ずつのノルマが設けられている文章である。最近、真夜中に目が覚めてしまうことが多いのだが、すぐにまた眠りに落ちることができているので、たいした問題ではないだろう。きょうの…

クラシックと私

今夜、すベてのバーで 〈新装版〉 (講談社文庫) 作者:中島らも 講談社 Amazon 私の文学史: なぜ俺はこんな人間になったのか? (NHK出版新書 681) 作者:町田 康 NHK出版 Amazon おもえばパンクって生ぬるい。 まだ、手ぬるい。 かもしれない。 ロックやポップ…

伊藤整に就いて

批評精神のはたらきと、小説を書く(書いてしまう)はたらきとは、おなじ文章のかたちで表現されていっても、まったく別々のところから出てきた、まったく別々の性質の文章なんだということ、これは忘れてはならないことだ。 今みたいなSNS時代では、なん…

「小説とは何か」に就いて

文学とは何か、とか、とくに「純文学」なんていうのやっていると標榜をすると――標榜をしている、というよりもしかたがなくそういっている、という感覚に近いのだけれども――俗っぽい言い方で、聞かれたりする、そういうことを訊くひとにかぎって「純文学」的…

昔はスマホゲーの看板みたいな感じで小説本の看板があったもんさ

「私の母が伊藤さんの伝記、すごく気に入ってくれたらしくって……」「あれはひとがいいひとには受けるようにできている」「私の母もいわゆる昔の文学少女って感じでね」「太宰治とかだ」「そう。太宰治とか。伊藤整は知らないかも。タイトルをいえばわかるか…

(犬の日記)六月十三日

図書館の資料をすべて貸し出し延長を申し込む。それにしても最近、飲酒がとまらない。今日は飲んでいないが……。おもうに田舎の退屈さが私に酒を飲むようそそのかすのだろう。だが都会であったらあったで昼酒に適した店屋のひとつ、ふたつを見つけてはそこで…

山岡家のシャツがとどいたぞ!

醤油、味濃いめ、油薄め、麺普通で頼むことが多いです 四十枚すぎたくらいから、意識してかぞえるようになるこの券 東京で美味しいものを食べることが習慣づいてしまっていて、食について文章に書く段にも必然的に東京の食の話になる、ワープロを閉ざしてふ…