本とgekijou

書評のようなものを中心としたblog

(日記)自在さをうしなった機械の歯車のような日記

 五月三十一日の深夜。東京に行き診察を受けてきたため、二日振りにデスクトップの画面で「一太郎」を開いて、銀軸のキーボードをタイプをしている。十年以上の付き合いになった茶軸が定年退職をして(チャタリングを起こはじめたのだ。機械にたいして、機械にたいするあのいつもの苛立ちというのではなく、そうだよな、よくがんばったくれたものな、というかけがえのない感情をもったのはおよそ初めての経験だった)、いろいろと店先で打鍵をして今のこのテンキーレスの銀軸にしたのだった。そうしてその銀軸をタイプをして、今は、書くべきなにものもあるわけではない。なぜ、旅先の、アドレナリンが出ている状態では「ポメラ」を開いて文字を書かないのだろう? 書かなくなったのだろう? 映画を三本立てで観て、宿にチェックインするなり風呂に入って寝るしか時間がなかった今回だけでなく、いつもポメラは行動をおこさない。まあ、むかし街に取材した小説を書いた時みたいに、常にあるきながら書いているような状態になった時には、ポメラが動き始めるはずだ。言葉にはいろいろな出方がある。この言葉は……まったくの退屈、ワープロご無沙汰の手持ち無沙汰、から出てきただけの文字だ。どうしても私の日記は自在さをうしなった機械の歯車のような日記になってしまっている気がする。

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