本とgekijou

書評のようなものを中心としたblog

(日記)昼酒をするという人生にとっての大きな自由

 小説を一本書き上げる初稿最終日の朝、ハードオフで百円円だったピアノ小曲集のレコードのぶつぶついうノイズを聞きながら(演奏は音大生並みなのであんまり真面目に聴いていない。とくにショパンのノクターンは聴けたものではない)、パンを温めてコーヒーを淹れる。そのまま八枚を昼前までに書いて、初稿完成となる。今手許にある未公開(電子書籍で公開するための文章もある)、未送付(賞に送るための原稿)はこれで合計三つとなり、あしたから、四本めをつくることになる。まずは白水社の五百頁ある一次資料である伝記を読むことから始めるのだったが……。
 なにかを仕上げても、ブルーハーブの「今日無事」を流したっきり、ここには神保町の「ランチョン」もなければ銀座の「オーバカナル」もないから、困った。田舎ぐらしをするということはつまりは、昼酒をするという人生にとっての大きな自由を手放す、ということであったのか。街場の空気のなかにたわむれて、白いこまやかな泡のたったビールをこくこくと飲み干すあの美。レコードのぱちんとはじけるノイズよりも、ともすればより一回的な美。

IN THE NAME OF HIPHOP II [2CD:生産限定盤]

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  • アーティスト:tha BOSS
  • THA BLUE HERB RECORDINGS
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