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鬼生田貞雄「黒い羊」刊行(8/15)のおしらせ

 今年で五十八年間、郷里である福島からも忘れ去られていた小説家、鬼生田貞雄。
 そのマスターピース「黒い羊」を八月十五日、終戦記念日にアマゾン(kindle)で販売予定です。(価格は五百円前後、読み放題の対象とする予定)。
 「衆目」が直木賞候補、ラーゲリの抑留体験をもち、同人雑誌「現象」の実質的主幹、ゴーストライターとして六カ国語に翻訳されたベストセラーを出版、井野川潔と「埼玉文学」「文学世界」刊行、若かりし日は「文藝首都」の書評欄で活動、実業之日本社で「ホープ」編集長などを歴任、筆名を使い分けていたため多数あるとされる著作の全貌は明らかになっていない小説家の、生まれ故郷である福島県を背景に据えた長編小説「黒い羊」はフォークナーの影響、内的独白、失われた福島地方の方言、農村における女性、トラウマ、……今なおアクチュアルな、さまざまな要素を含みながら、リーダブルな読み心地も兼ね備えています。
 この小説の電子書籍版刊行を皮切りとして、鬼生田貞雄が現代によみがえります。